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よくできた映画を一本観たうれしさがある
- 色と図形で構成された画面だ
- ボヤ……とみてたけど登場人物の見分けは思ったよりわかりやすくて安心した
- 視線と動作と口ぶりがぜんぶ説明してくれる
- 慌ただしさを表す画面の速い切り替わり・人物の顔をよく見せない影の濃い照明・視点人物のトマスとよく話すアルドのシルエットが似てる……の要素が、名前を覚えきれない序盤のうちにドッと出されるのが一見難しく思わせる
- ↑けど、トマスとアルド以外のキャラはわかりやすいから大丈夫だった
- 主人公の名前を途中までアルドだと思って観ていた(アルド・ベリーニのフルネームを私が理解したあたりで「あれ、このひとトマスって呼ばれてるわ」となり、間違いに気がついた
- トマスがトマス・ローレンスであることは終わってから知りました(遅いよ!!!!! 味が変わるとこあったよ!!!!!)
- でも大筋はわかったし……
- (生活丸出し日記)最近の私はよく布団のなかでベソベソ泣きながら「弱音を誰かに聞いてほしいけどしょうもない弱音すぎて話せるのはもう神しかいないよ〜人間さいごにはたったひとりで神と話すしかない、ただ心のうちを聞いてただ見ていてくれる存在があると思いたい、祈りたい」の気分になっているんですが、まあこれってなんらかの「信仰」を持っているよね、と自分で思っている
- アークナイツ15章にも信仰についての文章が出てきてて、なんだかこのタイミングで観るのが自分にあってたな〜
- 食前の祈りのシーンはキャラ説明っぽさをあからさまに感じるんだけど、やっぱりしみじみしちゃう良いシーンだよ
- 台詞が良い映画だよね、トマスのスピーチとベニテスのスピーチのシーンはやっぱり涙ぐんじゃうし
- 自らの罪に追い詰められ名声が閉ざされたアデイエミの隣にトマスがそっと腰掛けるところも良いシーンだと思った
- 聖職者として「あなたは善人だ(これから善人になることができる、そうした結果どのような人生になるかは神がお決めになる)」と自らの悪行に追い詰められた人間に言葉を与えてあげるシーン、好きだったな
- たとえそれが嘘っぽく聞こえても、信じきれなくとも、各々に悔い改める機会は与えられる。良い台詞だ
- 罪を犯した人は一生断罪されつづけるしかないのか?(まあ開き直ってこう思ってるうちは赦されないんだけど……)周囲(被害者ではない外野)は罪人を容赦なく追い詰めつづけることが「ただしい」ことなのか?↓
- 「悲しい出来事がここにある現状にかなしみ、惑いつつ、憐れみを持って接することこそが肝要ですよね」の説明がずっとある
- 憐れみの説明映画
- 亀のモチーフは「遅いこと」の象徴なのかな
- 道もわからないままうろうろ歩き「脱走したり、轢かれたりしている」亀
- 人間はじっとかなしみを見つめ、必死にただしいと思うことをゆっくり行うことしかできない
- モモのカシオペイアの印象から亀には「導き」のイメージもあるけどこれはただの私の印象だからな
- 映画に説明されたり説教されたりするのが好き
- よくできたおもしろい映画
- はやくこのオチがオチとして機能しなくなってよこの世(これを「よくできた映画」とみてしまう自分にも)と思う